事務所の窓から10

3月になりましたが、今日の火曜日は泣き出しそうな空模様。冬の寒さの逆戻りです。火曜日と言えばお散歩カフェ。厳しい冬の間もお休みなしで毎週開催出来ました。雪が降っても風が吹いてもひざ掛けにカセットコンロのヒーター、事務所から引っ張った延長コードの電気ストーブ。寒さ対策の仕上げはメンバーのいつも変わらぬ笑顔です。始めた当初から雨の日以外は必ず開催。簡単そうで難しいことを地道に続けてきました。おかげさまで常連さんもでき、ゆりの木利用者さんも活動の中で立ち寄って下さり「楽しかった。また来たい」。いつもそこにある霧が丘の縁側としてじわりじわりと存在が浸透してきているようです。

 

派手ではないけど安心感のある存在。お節介ではないけれど暖かい心配り。地域の中にあってちょうどいい温度感、距離感。ゆりの木の活動もお散歩カフェも志す方向は一緒だなと感じます。春になれば花を咲かせる木々や野辺の草花。その根は地中深く張り巡らされています。根を張り、花を咲かせ実を結ぶ。ゆりの木も揺るがぬ根を張り、ささやかな花と次世代へ命をつなぐ種を結んでいきたいと頑張っています。皆さまの笑顔が私たちの支えです。今後とも応援よろしくお願いします。2023.3.5

事務所の窓から9

波乱の幕開けに思うこと

 

今年は年明け早々、能登半島地震、羽田の航空機事故と波乱の幕開けとなりました。テレビでの「津波が来ます!逃げること‼」という強い呼びかけに被災地から遠く離れた横浜でも恐怖を感じ、早く逃げてと涙が出ました。亡くなられた方の人数は日を追うごとに増え続け、寒い中、余震の恐怖にさらされながら避難所や車の中で過ごす方の様子が報道されました。道路は寸断され、支援の手も思うように届きません。電気水道も使えない極寒の中で誰もが極限状態。特にお年寄りや幼い子どもなど社会的弱者の事が気になりました。

ニュースで、ある障害者施設の様子が映りました。暖房が使えない室内で入所者は一部屋に集まり、共同生活を送っていました。余震や慣れない共同生活で落ち着きを無くした入所者を肩に手を添えて慰める職員さん。優しく肩をなでる手は真っ赤に腫れあがっています。自身も被災者でありながら、入所者の為に氷のように冷たい水で必死に作業なさっているのだろうと心が痛みました。あれから半月。少しずつインフラも回復し、支援の手も届き始めたようですが、あの施設は現在どのようになっているでしょうか。ビニールハウスで布団を敷いて寝ておられた高齢女性は暖かい場所に移ることが出来たでしょうか。

報道されるのは被害のほんの一部です。お身内、ご友人を亡くされた方。自宅や職場を失った方。深い悲しみや喪失感を抱えて、それでも助け合い、必死に前を向いておられる姿に敬服するばかりです。

 

日本は地震国。いつどこで大地震が起こるか予測は尽きません。自身の備えは出来ているでしょうか。ゆりの木は在宅の方々を支援しています。活動が欠かせない方がたくさんいらっしゃいます。まず何をしたらいいのか、災害時の対策を再点検し、非常時にゆりの木としてできることを考えていく。とても重い宿題を、真剣に検討していかねばなりません。2024.1.18

事務所の窓から8

玄関もクリスマス仕様に
玄関もクリスマス仕様に

「今年もお世話になりました」

 

師走も半ばを過ぎました。ゆりの木は1229日から13日まで年末年始のお休みをいただきます。楽しみである一方、利用者さんのことを考えると心配にもなってきます。1週間足らずの休みとはいえ、週に1回の活動の場合、曜日の並びによっては2週間近く間が空いてしまうこともあるのです。買い物同行していたとして、その間必要なものは足りるでしょうか。お風呂介助の方は年末からお風呂に入らないで年越し、新年です。さっぱりなさりたいですよね。遠方からお子様、お孫様が来られるのが楽しみな方もいれば、心ならずも自宅を離れて施設のお世話になる方もいます。施設の職員さんは大忙しの時期です。

 毎年決まったお休み期間と言えど、仕方がないでは済まないのが介護のお仕事です。どうやっても足りないのかもしれませんが、何とか日程をやりくりして少しでも安心して過ごしていただけるよう最大限配慮して今年の活動を締めくくります。心は残しつつも、これまた繰り上がったたくさんの事務仕事と格闘して、ひととき家庭人に戻ります。今年のことを思い出しながら作るお雑煮の味はどうでしょうか。来年の抱負を胸に、黒豆に砂糖をもう1杯足しましょうか。皆さん、ご無事に年を越されているでしょうか。除夜の鐘に耳を傾け、しばらくの充電期間をいただいて、来年もまた頑張ってまいります。

 お世話になった方々、すべてに今年のお礼を申し上げますとともに、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

付記*ゆりの木の利用者には紛争地域から避難してこられた方もいます。国と国の争いで祖国に帰れない年越しは切ないものと思います。来年こそうれしいニュースが聞けますように。悲しい思いをする方が一人でも少なくなることを心から願っています。2023.12.19

 

事務所の窓から7

25周年ウィーク
25周年ウィーク
ゆりの木ベンチとハロウィーン
ゆりの木ベンチとハロウィーン
25周年記念の車椅子で家族旅行
25周年記念の車椅子で家族旅行

ゆりの木26周年です

 

 去年の今頃、ゆりの木は25周年を記念して一週間の拡大お散歩カフェを開催していました。コロナ禍で一斉に集まることは難しく、事務所の入り口付近を手作りでかわいらしく飾り、ゆかりの方たちに三々五々集まってもらって懇談の時を持とうと企画したものでした。いつもの仲間、懐かしいお顔、お世話になっている方々と和やかに楽しい時を持つことができました。記念品として事務所前にベンチを設置。活動や地域の方の必要に応じて利用できるように車椅子も購入しました。

あれから一年が過ぎようとしています。

 

ベンチは毎週お散歩カフェのお客様をお迎えし、地域の方の一休みの場所として楽しいおしゃべりの場となっています。先日のハロウィンではイベントポイントにもなり、小さいお子さんがたくさん集まってきてくれました。

 

 

車椅子も大活躍。通院やお出かけに貸し出されて役に立っています。活動者の親孝行の旅にも同行して喜んでいただきました!1年経って素敵な記憶をひとつひとつ積み重ねているベンチと車椅子。ゆりの木らしい記念品が過去と未来を繋いでいきます。   202311

事務所の窓から6

自宅で暮らす(筆者の独り言)

 

団地の植え込みのふちに毎朝座って歩道を眺めておられるおばあさんがいます。暑い時も寒い時も。一人ぽつんと座っている姿は寂しげに見えて気にかかります。ご挨拶しようと思いながらお声がけする機会がありません。

自宅前の道沿いにたくさんの花を植えて熱心に手入れしているかなり高齢のおじいさん。暑い夏はステテコ一枚で時には歩道に寝転んで休憩を取られていました。(お見受けした時は熱中症で倒れておられるかとびっくりしました)ご無理なさらず涼しいところで休まれればと心配になりました。自宅で暮らす高齢者は傍から見れば危なっかしい生活を営んでいる方がたくさんおられると思います。皆さんに安全、清潔で行き届いた毎日を過ごしていただきたいと思う一方で、各々のやりたいこと、毎日の過ごし方を自分で選べることが在宅で暮らす大切さだと感じています。

 

それぞれの利用者さんに合った適切な距離感で日々の生活を支えていけるようゆりの木は今日も頑張っています。

事務所の窓から5

猛暑の夏の活動者

「暑いのはもう飽きた」お盆を過ぎても、9月になっても衰えない猛暑。地球沸騰、災害級の猛暑。こんな言葉が使われるほど酷い暑さの夏でした。皆様、いかがお過ごしでしたか?暑さに加えてコロナの感染も広がっています。以前のようにニュースで毎日報道されることはなくなりましたが、行動の自由とともに身近での感染が増えてきています。注意していても防ぎきれないコロナ禍は残念ながらゆりの木にも降りかかりました。

体温を超えるような暑さの中、自転車に乗り、マスク着用で活動したヘルパーたち。利用者さんの中には複数の介護サービスや障害サービス、医療を利用して命をつないでおられる方もいます。そのような方のためにヘルパーの訪問はなくてはならぬもの。暑いなどとは言っていられません。また日常を支えるためにお休みの仲間の分も汗だくの入浴介助、保冷剤を首に巻きながら掃除や調理。炎天下の買い物代行等々。ご自分では動くことができない方が活動者と会って笑顔を見せて下さる。元気のないご様子だった利用者さんが、何気ない会話を交わすうちに活気を取り戻される。食欲のなかった方が、せっかく作ってくれたのだからと口に運んで「おいしい」と言ってくださる。こんなことが活動者の気持ちを奮い立たせてくれます。介護度が高い方も比較的お元気な方も利用者さんが自宅でご自分らしく過ごしていただくお手伝いが私たちの仕事です。お掃除もご飯作りもただそれだけではなく、使命を持って行っています。猛暑の中、自分自身を叱咤激励して、汗をぬぐいながらも笑顔で訪問できるのはヘルパーとしての誇りがあるからです。安い料金で掃除やご飯を作ってくれるおじさんやおばさんではないからです。住み慣れた環境で暮らし続けたい方にとって訪問介護は必須です。どうか多くの方にこのことを理解していただきたいと思っています。

昼間の暑さは相変わらずでも、朝夕には涼しい風が吹いてくるようになりました。稲穂も徐々に頭を垂れ、葉には朝露が光っています。秋の足音が小さいながらも聞こえてきました。もう少し、もう少しだけ頑張って実りの秋を迎えましょう。夏の疲れが出るころです。体を労わりつつ毎日を過ごしていきたいものですね。202395

 

事務所の窓から4

霧が丘盆踊り大会

炎天下の陽もようやく傾き、少しばかりの夜風に乗ってお祭りのざわめきが聞こえてきます。71516日に4年ぶりの霧が丘盆踊り大会が行われました。浴衣を着た子どもの手を引くお母さん。みんな楽しそうです。ゆりの木は霧が丘在住のメンバーを中心とした有志で毎回出店して、今年はお団子やフランク、揚げシュウマイを販売しました。買い出し、お手伝いの募集、当日はテント張りから始まり食品の下準備、夕方からは本番の販売です。

幸いお店は大繁盛。目を引くおそろいのゆりの木Tシャツでニコニコワイワイ大忙しです!お客様の中には活動者や懐かしいメンバー、お散歩カフェの常連さんの顔も。インドの方とは怪しげな英語で対応(;’’)一休みを入れながら皆で協力して頑張りました。ああ楽しい!ああ疲れた!普段の活動の時とはちょっと違うメンバーの顔が見られるのも楽しみの一つですね。

無事に日程を終え、本当にお疲れ様でした。もう無理、もうやれないと言いながら来年もまたお店を出している事でしょう。地域の中に溶け込むゆりの木。暑い夏の熱い二日間でした。2023.7.24

 

事務所の窓から3

お散歩カフェ~ゆりの木の軒先で涼んで行きませんか~

猛暑続きの毎日です。皆さんお元気ですか。今回はゆりの木事務所の軒先で誰でも気軽に立ち寄り、おしゃべりしたり休息したりと自由に過ごせる「お散歩カフェ」についてお話しします。約3年前、高齢になった活動者がゆりの木とのかかわりを持ちつつ気楽に集まれる場所を模索していた時、緑区社会福祉協議会の広報誌でお散歩カフェを募集していることを知り、コロナ禍でも戸外で密にならずに行え、地域ともつながることができる「これだ!これいいよね!」と準備に取り掛かりました。社協からのぼり旗を作ってもらい、令和27月にスタート。誰でも参加できるゆりの木版「縁側での井戸端会議」を目指しています。通常はおしゃべりをしたり、会員から提供された手作りの品や本を見たりしながらお茶を飲んでくつろいでます。発足当初はコロナ禍まっただ中で、寄って下さる方がいるだろうかと心配でしたが、毎週続けているうちに立ち寄る方も増え、ペットを連れて来られる方、遠くからの散歩中に毎週立ち寄って下さる方、霧が丘在住のインドの方も顔を出して下さるようになりました。毎月1回会員によるピアノ演奏とみんなで歌を歌う催しも好評で、通りがかりのお母さん、娘さん、お孫さんの親子三代で歌ってくれたこともありました。古本を集めたゆりの木文庫?も貸し出し自由、返却期限、冊数制限なしでたくさんの方にご利用いただいています。

 暑くても寒くても、(大雨じゃなければ)毎週火曜日10時からお昼過ぎまでやっています。開催を続けることで地域に認知され、常連さんも増えています。継続は力なり!カフェのメンバー頑張っています!!今後は「飛び出せ!お散歩カフェ」の企画も進んでいるようですよ。楽しみです。あなたも一度立ち寄っていかれませんか?元気な笑顔でお待ちしています。

 

 *お散歩カフェについては「地域とのつながり」もご覧ください 。 2023.7.14

事務所の窓から2

ポケトークを使ってお話し
ポケトークを使ってお話し

「私は冒険家」

ウクライナの戦禍を逃れて娘さんのいる日本に避難してこられたBさん。横浜市ではウクライナの方を多数受け入れていますが、介護保険を使っての支援はBさんが初めてのケースです。

やらせてください!と手を挙げたゆりの木。ご希望は買い物同行とお掃除。日本語英語は全く分からないBさんとウクライナ語は全く分からない活動者(;'∀')。大丈夫!翻訳アプリがあるじゃないか!と活動が始まりましたが、翻訳機が思ったようには機能しません。とんちんかんな翻訳に顔を見合わせて苦笑い。ジェスチャーと笑顔で乗り切りました。Bさんは積極的な方。近隣のお店に行く時も季節の花を眺めたり、小さな寄り道をなさいます。そんな時に出た言葉が「私は冒険家」。今では活動者の名前も覚えて下さり、日本語やウクライナ語を互いに教え合ったり、和やかな交流に訪問を楽しみにしていらっしゃいます。

Bさんの横浜での冒険の日々が終わり、平和な祖国で私たちの事を思い出して下さる日が早く訪れますように。その日まで穏やかに暮らしていただけるようにゆりの木は頑張ってまいります。

*写真は買い物同行の様子

新コーナーはじめました!

こんにちは。新コーナー「事務所の窓から」です。

3年ぶりに会員が集っての令和5年度定期総会を終え、たすけあい・ゆりの木は新しい年度に走り出しました。どんな毎日が待っているのでしょうか。日々起こる楽しいこと、面白いこと、困ったこと、悲しいこと。霧が丘グリーンタウンの真ん中にある小さい事務所の活動の様子を事務職員の視点でお伝えしていきたいと思います。

ゆりの木事務所の窓からは、地域の皆さんの生活の息吹や季節の移ろいを身近に感じられます。今年は街路樹のユリノキの花が沢山咲いていました。何かいいことありそうな予感です(^^♪

 

次回から、介護保険を使ったウクライナの高齢女性の支援の様子(なんと横浜初!)や毎週火曜日のお散歩カフェ☕(暑くても寒くても!)などお伝えしたいことがいっぱいです。

どうぞ楽しみにしていてくださいね。